「結婚は人生の墓場」なんていうセリフを目にしたことないですか?
よく「日本の終身雇用はオワコン」とか言われてますが、それもそのはず。日本では、企業が正社員を雇ったら、ちょっとやそっとの事では解雇できない。そう法律で決まってるんです。
それでも20~30代前半とまだ若いなら、上手く転職すれば、やり直しは十分可能。しかし40~50代ともなるとそうはいかないですよね。
おまけに結婚していて、嫁や子どもがいたら、なんとしてでも会社にしがみつく必要がある。絵に描いたような地獄絵図が待ってるわけです。
会社側としても、正社員は簡単には辞めさせることができない。
そこで、余裕のある大企業は、仕事のできない人材を特定部署「人材の墓場」に集め実質「飼い殺し」状態にする。
まさに島流し。使えない人材の流刑地ともいえるし、それでも解雇しない偽善的な処置とも言えますね。
しかし何故、日本だけでこのような事が起こるのでしょうか?
会社にしがみつく理由
「今の会社に居場所がないなら辞めちまえ!」なんて思うかもしれませんが、会社にしがみつく人には、それなりの事情がある。
子供の養育費
最も典型的なのが住宅ローンや子供の養育費。子どもが幼稚園や小学校ぐらいなら家計には重くのしかからないが、40~50代の子どもとなると子供は高校生や大学生。多額の塾費用や大学費用が重くのしかかってくる。
特に大学は私立に通わせていれば1人年に100万円以上は掛かる。しかも子供が上京して仕送りも必要ならさらに費用はかさむ。
大企業からの転職リスク
いくら「人材の墓場」とはいえ、大企業での40~50代になれば年収700万は確保できます。とりあえず定年まで勤めあげることができれば、年金も貰えるし安泰でしょう。
ですが、もし退職してうまく再就職できたとしても、ダメ人材である「人材の墓場」勤めスペックなら、せいぜい年収400万くらいまでが良いところ。大手企業というブランドネームがあるから転職も可能だろうと甘く見てはいけない。
仮に年収400万で転職できたとしても、大企業にいたプライドというプライドで精神的に不安定になる。生活も確実に苦しくなり「離婚」「家庭崩壊」といった問題もちらつく。
住宅ローン
それでも貯金を切り崩しながら生活をなんとか維持できても、住宅ローンに追い打ちをかけられて生活が破綻することは間違いない。特に30年ローンで購入している人は尚更。
月額5万程度の支払いであれば、なんとかなるかもしれないが、もっと高額だったりボーナス払いだったりすると家計を圧迫することは間違いない。
たとえば30歳からローンを組んでいたとすると完済するのは60歳。都心ならまだ売却してチャラにするということもできるかもしれないが、郊外なら少子化で売っても二束三文ということになる。
親の介護
おまけに40~50代になると、親の介護も必要になってくる時期。自身の老後のことを考えながらも親の世話もしないといけない。
親に貯金があれば施設に入れるなど幅は広がるが、でなければ自身の貯金で施設代を払うか、親の面倒を見なければいけない。
婚約者の協力もすんなり得られるかわからないし、確実に家庭は崩壊に向かうだろう。
★★★
以上のことから、「人材の墓場」であろうが、我慢しつつ会社に居続けることが最良の選択になる。とはいえ、会社も無駄な人材を飼っている余裕はない。
そのため、日本企業は恐ろしい手をうってくるのだ。
それらの要素を考えると、結局、人材の墓場と言われようと会社にしがみつくことが最良の選択肢になってしまうのだ。
しかし、企業も今日無駄な人材を飼っている余裕はないので、恐ろしい手をうってくるのだ。
「追い出し部屋」の恐怖
リストラでも早期退職なら、ある程度の退職金はもらえる。しかし自己都合退職となるとそうはいかない。完璧な鬱病でもないかぎり、受け取れる退職金が大幅に減り、失業保険の取得条件も不利になってしまうのだ。
そのため「人材の墓場」にいる人は絶対に自主退職はしない。だが会社も策を講じて自主退職に追い込む。それが「追い出し部屋」だ。
大企業でも「追い出し部屋」が存在する。具体的には派遣でもできる単純な仕事をさせたり、プレッシャーを与えたり、何も仕事を与えず座ることを強要したり、プライドを傷つける。そうやって精神的に追い込み自主退職を促すのだ。
重要な仕事を任されない「窓際族」という人たちが80年代のバブル期に流行ったが、現在の窓際族はとんでもないプレッシャーを与えられている。
実際に経験してみればわかるが、何もせずにじっとしているのは数時間でも相当つらい。
刑務所の囚人でも会話をしたり、仕事を与えられたりするのに、息をすること以外何もすることが許されないのだ。囚人以下の扱いを受けていると言っても過言ではない。
自営業は、事業に失敗して借金を抱えるリスクが高いという風潮があり、一般企業のサラダの方が安定というイメージがあった。しかし、大企業のサラリーマンといえど、使えない人材だと生き地獄を味あわされるのだ。
このように負け組サラリーマンとなり「追い出し部屋」に追い込まれた場合、我々はどうすればよいのか?
家計の見直しをする
無理なライフプランになってしまうのは、そもそも生活レベルの上げ過ぎが原因。住宅の30年ローン、車ローン、塾の費用などなど。高額な買い物は熟考して決めるべきです。
たとえば家を売ってしまうとか、車を軽自動車に変えるとか、学費は奨学金を借りるとか。倹約を努めて生活することはできる。
今までの贅沢を辞めるのはつらい。だが、会社で自主退職を迫られるプレッシャーを与えられる現実から目を背けているだけでは、破滅への道を進むだけだ。
倹約的に対応できる年収400万程度で家計をやりくりできるように慣らす必要がある。
また、選択肢が少ないのは、非常に大きなストレスになる。会社にしがみつく以外に何か道はないか、合理的に考えることが大切だ。
副業を視野に入れる
「追い出し部屋」にいる人、年収が下がったり、社内でプレッシャーを与えられている。そんな人は副業で多少でも収入が入ってくる環境を作ることができれば、精神的に楽になるはずだ。
たとえ月に2、3万円であっても、本業に加えてその収入が入るのならば家計の足しになるし、副業が肌に合い効率よく稼げるようになれば、本業以上に稼ぐことも可能だ。
たとえば、「メルカリ」「ヤフオク」などのフリマアプリやオークションを使って転売、英語が得意なら海外のブランド品を無在庫で買い付けして日本国内で販売する「BUYMA」という稼ぎ方も可能だ。
文章を書くのが得意ならオンラインのライター業なども需要があるし、今の時代は自分のスキルを売れるココナラを使って稼ぐこともできる。
会社でどんな状況に陥っても、常に考えて臨機応変に対応する必要がある。40、50代なら難しいかもしれないが、20~30代であれば思い切って転職してもよいかもしれない。
会社で雇われサラリーマンとして働くのが当たり前である。という固定観念をすてれば、人生はどんな状況でも切り開けるだろう。