- 「気になるあの子と同じクラスになれるかな?」
- 「あいつとは同じクラスにはなりたくないな!」
- 「仲良しの○○と同じクラスじゃないとつまらないな。」
ほとんどの人が経験したことがあるだろう学校でのクラス替え。新学期に新しいクラスが発表される直前は、ほとんどの方がドキドキしたものではないでしょうか?
結論から言うと、そんなクラス替えは「先生たちの都合」によって決められています。
今回は典型的な公立中学校(ある程度荒れている地域)でのクラス替えを想定して具体例を紹介します。あくまで一例ですが、ほとんどの学校において似たような手順でクラス替えが行われているはず。
成績順に振り分けてたたき台がつくられる
まず先生たちは、それぞれのクラスのテストの平均点が同じようになるように振り分け「たたき台」をつくります。先生だって人間です。どのクラスを持ったとしても負担が同じにならないと不公平だからです。
現在ではテストのデータをエクセルに入力して、機械的に各クラスの平均点が同じようになるようにしているはずです。その際、テストデータのネタが「定期テスト」のみか「実力テスト」も含むかどうかについても、話し合われることがほとんど。
リーダー&サブリーダーが振り分けられる
たたき台が出来上がると、そこからクラスを引っ張ってくれるリーダー的存在の生徒(とどのつまり学級委員候補)がピックアップされます。もちろん、リーダーたちを各クラスに均等に配分するために。
学校や学年によっては、リーダーをサポートしてくれるサブリーダーというカテゴリからも振り分けられることもあるはずです。
いわゆるガラの悪い地域の学校では、秘密会議として行われるクラス決め会議で「うわぁ、うちの学年、リーダー少ないな」なんて嘆かれながら、苦し紛れにピックアップ、振り分けられているかもしれないですね。
問題児が振り分けられる
リーダーたちが一通りそれぞれのクラスに付くと、次に学年の問題児たちがピックアップされます。今度は単純に振り分けられるのではなく、リーダーとの関係も考えながら振り分けられます。
たとえば、「リーダーの○○は、問題児の○○を抑えることができるかどうか?」といった観点から。先生は日頃の生徒たちの様子を話し合いながら、慎重にそれぞれの問題児が、どのリーダーの管理下になるかチョイスしていきます。
問題児がクラスの数以上いる場合は、「○○と○○が同じクラスになったら、一緒に悪巧みをしそうで危ない」、「○○と○○が同じクラスになったら牽制しうかも」、「○○と○○が同じクラスになったらどうなるか想像できないな」などと言われながら、振り分けられているかもしれないですね。
運動が得意な生徒、ピアノが弾ける生徒を振り分ける
体育祭や音楽祭という行事においても、不公平があっては困る。クラス替えでは体育祭や音楽祭といった観点からも子ども達がシャッフルされます。
体育祭のために運動神経の良い子ども達が各クラスに均等に振り分けられます。音楽祭については「ピアノが弾ける生徒が少なくとも一クラスに一人いればいいかな」ぐらいな感覚で、ピアノ要員が移動させられます。
「便利な子」が何度も移動します
上述の通り、いろいろな意味で目立つ生徒が振り分けられる訳ですが、クラス数は各クラス同じにならないといけません。そこで「問題児A」が「仮1組」から「仮2組」へと移動させる場合は、同時に「問題児Aと同じ成績の生徒」も「仮2組」から「仮1組」へと移動させられます。
リーダーだからと言って成績がずば抜けて良いとは限らない。問題児だからと言って成績がずば抜けて悪いとは限らないもの。リーダーは平均よりも若干良い成績の一群にいるもの。問題児は平均よりも若干悪い成績の一群にいるものです。
リーダーたちや問題児たちと似たような成績で、特に可も不可もない目立たない生徒は「○○は便利だねぇ」と、クラス替え会議で何度もクラス間を移動させられます。
先生がどのクラスを受け持つか概ね決まる
ここら辺で一息。学年主任の先生が他の先生方に尋ねます。
「さあ先生方、どのクラスを受け持ちたいですか?」
ここで、意見が偏る(みんな一つのクラスが良いという)ようでは、シャッフル失敗ということになるわけですが、リーダーと問題児にも相性があるように、先生と生徒にも相性があります。
たとえば、部活動にバリバリ力を入れている先生は、同じ部活動で面倒を見ている生徒を受け持ちたがったり、体育の先生は最も運動神経の良い生徒がいるクラスを受け持ちたがったりします。シャッフルされる過程で先生たちも「このクラスが良いな」とイメージしているはずです。
生徒指導という点においても、どのクラスをどの先生が受け持つかは非常に大切。例えば学年一の問題児である体の大きい男子生徒がいるクラスを、体の小さな新任の女性の先生が受け持つようになることは、まずあり得ません。
多少不公平になっても、ほとんどの場合において、「骨の折れそうなクラス」はベテラン先生が受け持ち、「指導が楽そうなクラス」は新任先生が受け持つことになります。
したがって、学年で最もリーダーシップが取れる生徒は、担任が新任の先生になる可能性が高く、ベテラン先生になる可能性が低い。学年で最もやんちゃな問題児は、担任が新任の先生になる可能性が低く、ベテラン先生になる可能性が高い。ということが言えます。
片親の生徒が振り分けられる
学校の先生は、子どもが好きだからその道を選んだ人がほとんどです。ですが、逆に「保護者とのやりとり」が大変だと感じている先生も少なくないです。まず、均等に振り分けられるのは「片親の生徒」。
特に中学校は、生徒の感情が目まぐるしく変わる多感な時期。たとえ一年生の頃は何も問題がない生徒でも、学年が上がるにつれてとんでもない問題児に大変身してしまうということもよくあります。
そんな時に、普通の先生なら「保護者との連携を密に取りたい」と思って行動するわけですが、片親だと「保護者が仕事やら何やらで忙しい」、「保護者が生活保護で憂なのでそれどころではない」といった可能性も高くなります。この状況を打開するのは、先生からしたらかなり骨の折れる仕事となります。
特別に支援が必要な生徒と、その面倒を見てくれる生徒をくっつける
特別に支援必要な生徒がいれば、彼らの面倒を積極的に見てくれる優しい生徒もいます。そんな生徒は貴重な存在。「○○さんは、○○さんの面倒をよく見てくれるからくっつけよう」とクラス替え会議で、満場一致で同じクラスに振り分けられます。
支援をしてくれる生徒は多ければ多いほど良い。他の項目において問題がなければ、二人でも三人でも、面倒見の良い生徒は、特別に支援が必要な生徒と同じクラスになります。
結論:友達と同じクラスになる方法はあるのか?
結局、仲良しの友達と同じクラスになる方法はあるか?
確実な方法はありませんが、友達と同じクラスになる確率を高める方法はあります。友達と同じクラスになる確率を高める方法をまとめると、このようになります。
- 友達と違う成績郡、リーダーたちや問題児たちと違う成績郡にいること。つまり「便利な子」にならないように気をつけること。目立つように心がけよう。
- 友達と一緒に、特別に支援が必要な生徒の手助けをすること。動機が不純ですが、一定の効果はあると思います。
- 友達と関わってクラス内に先生が好むような良い雰囲気をつくること。友達がリーダーであれば、唯一その友達をうまくサポートできる相棒になること。友達が問題児であれば、唯一その友達を抑えることができる存在になること。
- 野球、バスケ、ラグビーなどの熱血系運動部の主顧問が学年にいる場合、友達と一緒にその部活動に入ること。これは主顧問の先生の都合です。
いかがでしたでしょうか?以上のように新クラスのメンバーは、先生の都合のために、あらゆる観点から決められるもの。先生の心理を理解して、うまく立ち回れば1~4以外の方法でも、意図的に友達と同じクラスになることができるかもしれないですね。