日本では少子高齢化が進み女性の活躍が期待されています。
しかし未だに女性は、男性に比べて賃金が低く、若ければ結婚+出産で、就職活動においては差別されているのが現状です。
政府は、数年前に「女性活躍推進法」を制定し女性の活躍を後押ししています。
ですが日本人に根深く残る「仕事は男」「家事が女」というイメ―ジから、女性は職場でも雑用的な仕事を押し付けられ、昇進しにくいのが現状ですよね。
いくら制度が変わろうが、昔ながらの考え方をするオッサンたちの考えは、そう簡単には変わりません。
そんな厳しい就職戦線のなか、女性は転職活動をする際には、どのようなことに気をつければよいのでしょうか?
「資格」が無意味な理由
転職活動する女性にありがちな誤解が「資格」を神格化することです。
「今のままじゃ先が真っ暗!できるだけ良い仕事に就きたい。資格を取得しないと!」
そんな風に思っている女性は非常に多いです。
ぶっちゃけ、就職で有利になる資格は相当限られていますし、資格を付け焼刃でとっても、時間と労力の無駄に終わります。
たとえば、あなたが採用者側なら、経理職のポジションとして、
- 簿記の資格をとった経理の経験のない人
- 簿記の資格はないが経理の経験のある人
どちらを採用するでしょうか? 明らかに「2」の人ですよね?
しかし、特に自分に自信がない女性ほど資格を神格化して、とりあえず資格を、という考えに陥ってしまうことが多いのです。
まるで、中身はなくても高給な装飾品や服装を身に着けるだけで、自分は「価値のある人間だ」と思い込んでしまうように。
日頃からTVニュースでは資格取得のCMがバンバン流されているので、そういう考えになるのは仕方ないことです。
しかし、転職において大切なのは「資格」よりも「自己分析」「求人選び」であることを認識しておく必要があります。
なぜ「自己分析」「求人選び」が資格よりも大切なのか。解説していきます。
人事の立場になって考えよう
普通に訓練すれば一人前にできるような仕事、たとえば経理、営業、事務など。
あなたが会社の人事なら、こういったポジションに、どんな人を採用したいと思いますか?
- 清潔感があり明るくハキハキしている
- 人柄がよく周りと仲良くできそう
- 責任感があり仕事をきちんとしてくれる
こんな人じゃないでしょうか。
そりゃ弁護士、公認会計士、司法書士など、一定の資格が必須のポジションなら話は別ですが、そうじゃないポジションでは、明らかに「人柄 > 資格」です。
資格が必要なら、採用後に取らせらればよいし、面接の段階で必要な資格なんてほとんどないです。
昨今では海外進出する企業が増えているので、強いていうなら「英語」でしょうが、TOEICやTOEFLが満点でも、英語は喋れない人は沢山いますし、それも必須じゃないです。
それよりも人事の立場になって「この人と一緒に仕事したい」と思えるような人柄を目指しましょう。
資格なんて二の次でOKです。まずは自分を客観視して「行動」あるのみ、です。
自己分析:自身の市場価値を考える
就職するなら給料の良いところに就職したいですよね。そのために転職活動に力を入れる人も多いでしょう。
そのために先ず必要なのは「自己分析」です。それでは、自己分析は、どうすれば良いのでしょうか?
中国通信機器メーカーであるファーウェイ日本法人が、大卒初任給に40万円以上を提示して話題となったことをご存知でしょうか?
掲載されたHUAWE JAPANの求人広告では募集職種は、
- 「通信ネットワークエンジニア」
- 「端末テストエンジニア」
- 「端末アフターサービスエンジニア」
- 「研究職・アルゴリズムエンジニア」
の4つ。月給は学士卒で40万1000円、修士卒で43万円に設定されています。
年1回以上は賞与のため、賞与が月給2カ月分だとすると、年収は初年度から560万円以上になります。
その一方で、いまでもアジア発展途上国では、勉学に励んで技術を身に着け努力しても、現地のローカル企業で月収40万なんて不可能に等しいです。
発展途上国では、月収10万で高級取りの部類に入ります。
しかしアジアで月収10万で働いている優秀なエンジニアが、中国IT企業に転職すれば月収60万になる、ということは有りえるでしょう。
つまり、物の値段(価値)は本質的価値よりも、その物がある場所に依存する、という事です。そして、それは人の賃金も同じ。
日本では500円のタバコも、フィリンピンでは100円。しかしアメリカでが1000円以上。想像には難くないですよね。それは人の賃金も同じです。
つまり、自己分析では何をするのかというと、自分の今までしてきた仕事を振り返り、自身の市場価値を調べる。そして、高く買ってくれそうな場所を探す。
それが、転職活動のための自己分析です。これから資格をとろうとしても時間の無駄に終わります。
求人選び:適切な働く場所を選ぶ
日本で女性が働きやすい会社というのは、それほど多くありません。
昨今の日本は男社会なので古臭い会社も多いですし、大企業でも典型的な昔のオジサン管理職が多く、肩身が狭くなるかもしれません。
政府は働きやすい社会を目指し努力をしているフリ、はしていますが未だブラック企業が蔓延っているのが日本の現状です。
こうしたブラック企業を避けるためにも、『求人選び』は非常に大切です。
先ず高い給料が欲しいなら、金回りのよい「IT」「電気・ガス」「タバコ」「航空」などの業界に絞るとよいです。
そして希望条件もはっきり決めておきましょう。
大まかな年収、有給、ボーナス、労働時間、育休制度など、どれが妥協できて、どこを優先させるのか、事前に決めておきましょう。
金回りの良い業界なら、ある程度の希望は叶えられるかもしれませんが、何もかも希望が通る会社、というのは少ないです。
ここは良いけど、ここはダメだ!としっかり線引きすることで、スムーズに転職活動を進めることができます。
とはいえ、自分だけで希望に合う「自分を高く買ってくれる場所」を見つけるのは至難の業です。
特に転職活動では、自己分析に加え書類作成など、すべき事が多く効率的に薦める必要があります。
そこで、自己分析のアドバイスや職場選びを丸投げできる、転職エージェントの利用をオススメします。
大手の2大転職エージェント
転職エージェントとは、転職を希望者に対して、転職活動のサポートを行う会社や担当者のこと。
日本には星の数ほど転職エージェントがあります。きっと転職経験のない人は、どこを利用すれば良いのか悩むでしょう。
どこに登録しようか迷ったら、先ずは業界トップ2社を検討することをオススメします。
リクルートエージェント
業界第1位の転職エージェント。とにかく案件数が豊富。コンサルタントもスピーディーで一流な粒ぞろいで、大企業との契約数が最も多い。
フロムエーやとらばーゆなどを手掛ける大手人材紹介サービスのリクルートが運営する転職エージェント。創業以来、約35万人の転職を実現してきた業界のトップ。総合人材サービス企業として、長きにわたり培ったノウハウを活かした転職サポートが魅力となっています。
リクルートエージェント公式サイト
パソナキャリア
業界第2位レベルの転職エージェント。リクルートに次ぐ業界2位は多数ありますが、歴史が長くコンサルタントが親切との定評があるのがパソナキャリア。
人材業界大手のパソナグループが運営している転職エージェント。1976年の創業以来「社会の問題点を解決する」という企業理念のもと、年齢・性別を問わず誰もが自由に仕事を選択し、働く会を得て、豊かになるための社会インフラを構築しています。
パソナキャリア公式サイト
リクルートもパソナも保有する求人数は全国で数万件以上、第二新卒から幅広い年齢層までの転職に対応しています。大手の関連会社など安定した求人を多数かかえています。
紹介料がそれなりに掛かってくる大手2社に広告を出せる企業は、それなりに財政も安定しています。もちろん審査もあるので、中途半端な企業が大手2社を利用している事は稀です。
それだけ紹介料を出しているということは、それだけ投資して本気で良い人材を探しているということ。
就職すれば手厚い待遇、長期的なキャリアを見据えて向かい入れてくれるところも少なくないいです。
一方、職業安定所(ハローワーク)は広告コストが無料なので、できるだけ安く人材を使い捨てるつもりで利用しているブラック企業も少なくないです。求人誌も、大手の転職エージェントに比べて広告費用が安いので、低品質な求人が多いです。
大手の転職エージェントでは、そういった質の悪い求人が少なく優良案件が多いので、安心して利用できますね。カウンセラーに相談しながら自分に合った職のアドバイスなどもしてくれる点もよいです。
案件数が豊富で、エージェントも厳選してくれるので、自分の意向を伝えれば、納得のいく求人が見つかる可能性が高まります。
しかし、転職エージェントのカウンセラーも人間。大手といっても担当者の性格や質も人それぞれです。よい担当者に当たることもあれば、これは外れだ、という人に当たることもあるでしょう。
もし、イマイチという担当者に当たったら、別のエージェントに当たってみるのもよいです。大手の転職エージェントは、その道のプロです。しかし、すべての転職エージェントの担当者が、あなたに合うとは限りません。
ダメなものはダメだと割り切って、別エージェントに乗り換える思い切りも時には必要。そのため、いつでも切り替えられるよう大手2社に登録しておくことをオススメします。
私も大手2社に登録していた際に、一方の動きが早くもう一方はレスポンスが遅かったので、親身に素早い対応をしてくれる一方に絞った経験があります。
リクルートとパソナに登録するには、公式サイトに行って情報を入力するだけ。その後は、ほったらかしにしていても、向こうからメールなり電話なりで連絡がきます。そして面談日を決めて来社、という流れが一般的です。
そしてカウンセリングをしてどんな職種に興味があるのか伝えて後日、意向に合わせた求人のオファーがメールなどで送られてきます。
一旦登録をしてカウンセリングを受けてしまえば、自動的に求人情報が送られてくるので、求人を探して応募する手間が省けます。
少しでも転職を考えているのなら、登録してみることをオススメします。登録と利用は最初から最後まで完全無料です。