「長年勤続しているけど給料が全く上がらない」
「キャリアチェンジをしたいが上手くいくか不安」
「待遇に不満はないが仕事内容に興味が持てない」
こんな風に転職するか悩んでいるが、一歩踏み出せない人は非常に多い。特に新卒カードをフルに活用して得た正社員の地位を得ている人なら尚更だろう。
その理由としては、こんな事が挙げられるんじゃないだろうか。
・転職したとしても転職先が今より良いとは限らない
・現在の会社には不満があるが我慢できない程じゃない
・正社員の身分を棄てて転職するのリスクが高すぎる
しかし、転職するには決断が必要です。たとえ現在は年功序列を前提とした大企業に勤めていても、このご時世。いつ会社の先行きが不透明になるかなんて分かりません。
決断を下すために、先ずは材料を集める必要があります。
- 転職するならどんな求人に応募可能なのか
- 年収はどれぐらいが期待できるのか
- 自分のいる業界は今後どうなのか、
- 5~10年後も問題なく稼げる能力をつけられそうか
などなど集めるべき材料は多岐に渡ります。
本を読んだり、ビジネス書で勉強したり、ネットで情報を集めたり、様々な方法で情報収集できます。
しかし最も手っ取り早いのは人に聞くこと。プロである転職エージェントに相談することです。
そのまえに、どのような心構えが必要なのか、本稿で案内していきます。
転職しない事がリスクになる
転職を考えるようになったという事は、今後のビジョンが変わってきたということ。同時に将来に対する不安も感じているということです。
- 今働いている業界は大丈夫か
- 現在勤めている会社は倒産しないか
- この会社にずっといたら昇給はどれぐらいありそうか
- 将来は結婚して家族を持って生活していけるだけの収入は持てそうか
- 有給・育休などは取れるだろうか
このようなネガティブな理由もあれば…
- もう少し面白い仕事をしたい
- もっと裁量がある仕事をしたい
- 可能ならフリーランスの道も探りたい
- 海外勤務の可能性も探りたい
というようなポジティブな理由もあるでしょう。
ですが、どちらの理由であっても転職を実現させたいなら、一歩前に踏み出さないと、今の状況は変わりません。変化を恐れて動かないのは、ある意味リスクを取ることと同じだからです。
現在働いている会社が倒産した場合、一度でも転職経験がある人なら、すんなり次の職場を見つける事が可能でしょう。しかし、転職経験のない人は、はじめての転職に必要以上に手間取ってしまうかもしれません。
日本では年齢が転職の大きな妨げになります。転職を迷ったまま時間が過ぎてしまえば、それだけ転職がしにくくなります。
業種や経験などによっては、そこまでマイナス要因にはならないかもしれませんが、意欲のない仕事を続けていても時間の無駄ですし、生活は充実しません。仕事に対する向上心を失ってしまったら、早めに転職をするのが良いでしょう。
現代は女性が活躍する時代。昨今は共働きが当たり前になってきています。女性は結婚しても職場復帰や転職せざるを得ない状況が多くなってきています。そのため、女性もキャリアを意識する必要があります。
もちろん、常に前向きに仕事に取り組むのは難しいですが、現在の仕事に対して不満ばかりでは人生を楽しむことはできないです。なので、転職を少しでも迷ったら、とにかく行動することをオススメします。
労働力の価値は場所によって多きく変わる
少し前に中国通信機器メーカーの華為技術(HUAWEI)日本法人が、大卒初任給に40万円以上を提示して話題となりました。
掲載されたHUAWE JAPANの求人広告によれば、募集職種は「通信ネットワークエンジニア」「端末テストエンジニア」「端末アフターサービスエンジニア」「研究職・アルゴリズムエンジニア」の4つとのこと。
月給は学士卒で40万1000円、修士卒で43万円に設定されています。年1回以上は賞与のため、賞与が月給2カ月分だとすると、年収は初年度から560万円以上になります。
一方、現在でもインドネシアやカンボジアなどの発展途上国では、どれだけ勉学に励んで技術をみにつけ仕事にいそしんでも、現地のローカル企業で月収40万なんて不可能に等しいです。
そう月収10万で高級取りの部類に入る。
しかし、たとえばインドネシアやカンボジアで月収10万で働いている優秀なエンジニアが、中国のIT企業に転職すれば月収60万になる、ということはあるかもしれない。
もしあなたが、給料の多さ少なさは頑張りに比例する、という考えているのであれば、それは誤りです。
もちろん技術や能力が秀でている人の給料は、劣っている人の給料より高くて然るべきです。しかし、それ以上にその国や企業の財務状況や需給に依存します。
あなたの給料は、あなたがいる業界、会社、需要と供給によって、10分の1にでも、10倍にでもなる可能性があるんです。
最も大切な事は、自分が転職市場ではどれくらい価値があり、どんな仕事に、どんな会社に応募可能なのか知ること。また思い描いている新しいキャリアの相場やその市場について、どんな技術や能力をどこまで身に着け、どの業界のどんな企業なら、自身を高く買ってくれるか考え続けることです。
とはいえ、自身の価値は主観的にはなかなか把握するのが難しいもの。初めての転職なら尚更だろう。そんな時に便利なのが、プロとしてアドバイスしてくれるのが転職エージェントだ。
転職のメリット
「転職を考えているだけなのに転職エージェントを利用していいのだろうか?」
そんな風に思う人もいるかもしれないですが、転職エージェントは相談やカウンセリングのみの利用でも歓迎しています。
最終的にそのエージェントを通して就職しなかったとしても問題ないし、結果として転職しないという選択をしたとしてもかまわない。何れ利用するかもしれないからです。
また、特に転職エージェントを掛け持ちして、一方の利用を打ち切るケースも多いので、エージェント側も、その辺りは心得ています。
転職する人は誰もが悩みを抱えている。その悩みを第三者である転職エージェントのカウンセラーに相談できるメリットは大きい。
たとえば転職しようか迷っていても、相談できる相手は限られてしまいますよね。もちろん職場の上司や同僚には言いにくいですし、バックグラウンドの違う身近な友人に相談しても有益なアドバイスがもらえるか分かりません。
しかし、転職エージェントのカウンセラーになら何でも相談しやすいですし、彼らはその道のプロ。悩みを聞くだけでなく、プロの視点からどんな求人に応募可能なのか、という事まで具体的なアドバイスをしてくれます。
アドバイスにより、転職に対するモチベーションが上がり、具体的な次の行動に移すことができるようになります。
やはり、実際に求人を見て、その道のプロからアドバイスを得られる事で、具体的な転職後のイメージをつけることのメリットでかいのです。
どの業界のどんな企業なら、自身を高く買ってくれるか。あなた自身の人材価値もはっきりと知ることもできます。
転職エージェントを利用して、自分では認識していない適性がカウンセリングで明るみになって転職を成功させた。そして、現職の倍の給料が得られるようになった。こんな話もまれにですがあります。
一人で悩むのではなく、思い切って転職エージェントに相談することをオススメします。
転職の準備などの心構え
転職すると決めたら、先ずは在職中に転職をするのか、退職してから転職をするのか、どちらか決める必要があります。
もちろん、在職中に転職活動をして、内定が出たら退職の意向を伝えるのが一般的です。これなら将来的にも、履歴書に空白はできないですし、金銭的にも安心感があります。
ですが、職場での嫌がらせ、セクハラ、パワハラ、などを受けていたり、長時間労働を強いられて疲れ切っている場合は、いったん職場から離脱して、失業保険を受給する。
そして気持ちが落ち着いてから、転職を勧めるのが精神衛生上よいです。その場合は必然的に退職後の転職になります。
最も最悪なパターンは、余裕のない中、無理に時間を作って転職して一杯一杯の状態で就職する事です。
就職先は決まったものの待遇も悪くなり、おまけに適性もなかったら、地獄ですよね。転職は、自分の市場価値をじっくり考えながら、じっくり行うものです。
退職してからの転職を考える場合、一番の問題となってくるのがお金。
正社員であれば失業保険を受給しながら、転職活動に臨むことができますが、自主退職の場合は通常は3ヵ月間の待機期間があります。そのため最初の3ヵ月間は生活できるくらいの貯金をしておく必要があります。
貯金がない場合は、退職する前にしっかりと計画を立てておく必要があります。また、上手く資金繰りができて、失業保険を受給できたとしても、今後は履歴書にその経歴が付きまとうという念頭に置いておく必要があります。
貯金ゼロで退職した場合でも、失業保険の受給開始まで、短期アルバイトで食いつなぎ、完全な無収入状態は避けられます。
しかし、やはり余裕を持った転職活動をするなら、ある程度の貯金をしておくに越したことないです。正社員なら、ボーナスを貰ってから退職するのが一番です。
転職エージェントは大手2社を押さえておこう
転職すると言っても日本には星の数ほど転職エージェントがあります。どこのエージェントを使えば良いのか、ほとんどの人が悩むでしょう。
どこに登録しようか迷ったら、先ずは業界トップの2社を検討することをオススメします。
リクルートエージェント
フロムエーやとらばーゆなどを手掛ける大手人材紹介サービスのリクルートが運営する転職エージェント。創業以来、約35万人の転職を実現してきた業界のトップ。総合人材サービス企業として、長きにわたり培ったノウハウを活かした転職サポートが魅力となっています。
リクルートエージェント公式サイト
パソナキャリア
人材業界大手のパソナグループが運営している転職エージェント。1976年の創業以来「社会の問題点を解決する」という企業理念のもと、年齢・性別を問わず誰もが自由に仕事を選択し、働く会を得て、豊かになるための社会インフラを構築しています。
パソナキャリア公式サイト
リクルートもパソナも保有する求人数は全国で数万規模。第二新卒から幅広い年齢層までの転職に対応しています。大手の関連会社など安定した求人も多数かかえています。
紹介料がそれなりに掛かってくる大手2社に広告を出せる企業は、それなりに財政も安定しています。もちろん審査もあるので、中途半端な企業が大手2社を利用している事は稀です。
また、それだけ紹介料を出しているということは、それだけ投資して本気で良い人材を探しているということ。就職すれば手厚い待遇、長期的なキャリアを見据えて向かい入れてくれるところも少なくないいです。
当然「即戦力が欲しい」という会社もありますので、交渉すれば年収アップみ見込めます。
一方、職業安定所(ハローワーク)は広告コストが無料なので、できるだけ安く人材を使い捨てるつもりで利用しているブラック企業も少なくないです。
求人誌も、大手の転職エージェントに比べて広告費用が安いので、低品質な求人が多いです。
大手の転職エージェントでは、そういった質の悪い求人が少なく優良案件が多いので、安心して利用できます。カウンセラーに相談しながら自分に合った職のアドバイスなどもしてくれる点もよいです。
案件数が豊富で、エージェントも厳選してくれるので、自分の意向を伝えれば、納得のいく求人が見つかる可能性が高まります。
しかし、転職エージェントのカウンセラーも人間。大手といっても担当者の性格や質も人それぞれです。よい担当者に当たることもあれば、これは外れだ、という人に当たることもあるでしょう。
もし、イマイチという担当者に当たったら、別のエージェントに当たってみるのもよいです。大手の転職エージェントは、その道のプロです。しかし、すべての転職エージェントの担当者が、あなたに合うとは限りません。
ダメなものはダメだと割り切って、別エージェントに乗り換える思い切りも時には必要。そのため、いつでも切り替えられるよう大手2社に登録しておくことをオススメします。
私も大手2社に登録していた際に、一方の動きが早くもう一方はレスポンスが遅かったので、親身に素早い対応をしてくれる一方に絞った経験があります。
リクルートやパソナに登録するには、公式サイトに行って情報を入力するだけ。その後は、ほったらかしにしていても、向こうからメールなり電話なりで連絡がきます。そして面談日を決めて来社、という流れが一般的です。
そしてカウンセリングをしてどんな職種に興味があるのか伝えて後日、意向に合わせた求人のオファーがメールなどで送られてきます。
一旦登録をしてカウンセリングを受けてしまえば、自動的に求人情報が送られてくるので、求人を探して応募する手間が省けます。
少しでも転職を考えているのなら、登録してみることをオススメします。登録と利用は最初から最後まで完全無料です。